2009年06月09日

手帳

6月1〜9日は企画を行っています。詳細はこちらをごらんください。

『オンライン作家さんへの10のお題』No.10
2つ同時更新2つ目にして企画のラスト。
本当にランダムに開いたらこんな事書いてあって自分でびっくり。




僕は一日一ページの手帳を愛用しています。
今回はその内容の一部を適当に伝えるため、
去年の手帳をランダムに開いてみました。

開かれたのは、7月17日のページ。
そこには青字でこう書かれていました。

7月17日(木)
・どうやら僕は“自分の世界”にこもれる場所を求めてる…!!
・地面に座るという事は思考にとって悪だ!!

…自分でも、自分が何を言っているのかさっぱりだったので
これはきっと、
カルボナーラで宇宙征服を企むカルボ星人が僕の目を盗んで書いたのだと思います。




<各お題へのリンク>
No.1『鮮明な記憶』
No.2『ダイイングメッセージ』
No.3『キャットフード』
No.4『保冷剤』
No.5『封を開けると』
No.6『満点の空』
No.7『がまぐちの財布』
No.8『金色の瞳』
No.9『朝風呂』
No.10『手帳』



『オンライン作家さんへの10のお題』
配布元:「瑠璃色の小箱」
配布場所:「オンライン作家さんへ100のお題」





以上で『オンライン作家さんへの10のお題』は終了です。
お楽しみいただけましたでしょうか?

明日からはまた通常営業に戻りますので、
皆様のお越しをまた馬鹿な文章を準備してお待ちしていますね!
それでは、また明日!

朝風呂

6月1〜9日は企画を行っています。詳細はこちらをごらんください。

『オンライン作家さんへの10のお題』No.9
2つ同時更新の1つ目。自尊心が高い女性のモノローグ。




朝はカモミールの香りがいっぱいに広がった
ぬるめのお風呂に1時間入ることにしているの。
それ以外の朝なんて、私にはありえないっ!

だから、
交感神経がにぶくなる、とか
副交感神経が優位になる、とか
体に悪いとか、頭に悪いとか、
そんなの、いっさいがっさいナンセンスっっ!!


私は私のやりたいようにやるの。
“体に悪いからやるな”ですって?大きなお世話よ。




<各お題へのリンク>
No.1『鮮明な記憶』
No.2『ダイイングメッセージ』
No.3『キャットフード』
No.4『保冷剤』
No.5『封を開けると』
No.6『満点の空』
No.7『がまぐちの財布』
No.8『金色の瞳』
No.9『朝風呂』
No.10『手帳』



『オンライン作家さんへの10のお題』
配布元:「瑠璃色の小箱」
配布場所:「オンライン作家さんへ100のお題」

2009年06月08日

金色の瞳

6月1〜9日は企画を行っています。詳細はこちらをごらんください。

『オンライン作家さんへの10のお題』No.8
本気を見せましょう!

…深夜に電気を消して、一人でご覧下さい…。




僕の部屋には、古びた変な日本人形が置いてある。
人形の高さは1メートルほどもあり、間近で見ると結構不気味だ。

この人形は5年前に祖父が他界したときに譲り受けたものなのだが、
正直、気持ちが悪かったので僕はすぐにでも捨てたかった。
けれど母親は僕に「これはいいものだからとっておけ」と言ったのだ。

その母親から“いいもの”の理由を聞いて、
僕は心底納得した。

この人形の瞳が金色なのだ。
それもただの金色ではない。

この人形の瞳は、なんと『実際に金でできている』のだ。
だから目は金色一色。
はっきり言って、僕に言わせれば気持ちが悪い人形だ。
人形のくせに、目のせいで全く人っぽくないのだ。

生産された時期とかはあまり詳しくない。
けれど、この貴重な材料の割に結構この人形は出回ってるらしかった。
かなり値が張ったはずだが、日本全国で50体はあると言われている。
その他にも輸出なんかで海外にも数十体はあるらしかった。

けれど、そんな事は僕には関係ない。
僕にとってみればこの人形は、“瞳が金だから貴重品”なのだ。
だから大切にしているのだ。
それを除けば僕みたいな現代の若者の部屋に日本人形を飾る理由なんてないに等しい。

そんなある日、いつものようにネット巡回をしていると、
ある驚くべきニュースが目に飛び込んできた。
『金の高騰』だ。
よく見る他のニュースでも“金属が盗まれる”とかよく聞くことがあったし、
それの影響なのだろうか。

そして、そのニュースは次のような言葉で締められた。
『今の金の価格は5年前の約2倍です』…と。


その言葉を聞いて、僕は生唾を飲み込んだ。
それと同時に、後ろに置いてある日本人形に目を向ける。
5年前にはすでに値打ち物と言われていた人形だ。
やる価値は…ある。

自分の中で、『それはやらない方がいい』と警鐘を鳴らす僕がいたが…。
そんなの関係ない、と思った。
だいたい、こんな古びた人形を扱ってくれる美術商を僕は知らないが、
金なら近所の宝石店にでも行けばいくらでも取り扱ってくれる事を僕は知っている。

なら何を迷う事があるんだ。
買いたいものだってたくさんある。
別にこの人形の事なら後で母親にあやまればそれで済むじゃないか。

そう思って僕は、工具箱からマイナスドライバーを取り出した。

それを持って、普段はあまり近づかない日本人形に近づく。
まずは右目からだ。
右目の横からゆっくりと人形の眼球にドライバーを差し込んでいく。
金は金属の中では柔らかいから、ゆっくり慎重に作業をする。
そのまま慎重に作業した結果。2分後。

ポト。
という音を残して、右目がはずれた。
地面に落ちた瞳は、確かにまばゆいばかりに金色の光を放っていた。

僕はそれを掴み机の上に乗せると、
今度は左目の解体に入った。

右目をはずしてわかった事だが、
コツをつかめばこれはかなり簡単にはずれる仕組みになっているようだ。
左目は慎重にしながらも、得たコツを利用して外そうと心がけた。

…その時。
突然、人形が震え始めた。
ガクガクブルブルと。まるで人形が貧乏ゆすりをしているみたいだった。

それを見て、僕はびっくりして下にへたり込んだ。
今までこの人形がひとりでに動くところなんて僕は一切見た事がなかったのだ。

それでも、僕は気を取り直して立ち上がり解体を再開した。
僕にとってはこいつが震えてようがどうでもいい。
人形が震えていても、コツさえつかめれば解体は楽にできるから。
今度は1分ほどで左目がはずれた。

両目がはずれた人形はいつもよりも更に不気味な顔になっていた。
ただでさえ気持ち悪かった目が、空洞になって怪しさを増している。
その上、その人形が小刻みに震えているのだ。
気持ち悪くないわけがなかった。

そんな人形を見ているとなぜか急激に腹が立ってきた。
その原因を考えてみて…わかった。
もうこの人形の価値がある部分は僕が抜いたのだ。
だったら、僕にとってこの人形を守る価値など皆無。
しかも更に嫌な事に、この人形は今気持ち悪く震えているのだ。
ならば、これは僕にとって――。
…ガラクタだ。

ドンッ!!
そう思った瞬間、僕は無造作に人形に蹴りを入れていた。
人形は壁に向かって飛び、ぶつかり、落下した。
丈夫なのか、部品は一切壊れていなかった。それにまだ震えている。
だが、人形らしく、その体制は完全にうなだれたものに変わっていた。

…その時。
僕の目の前で驚くべき事が起こった。
人形の震えが止まった。蹴っても止まらなかったのに。
そしてそう思った瞬間、うなだれた人形が突然がくっと動き、
顔を僕の方に向けてきた。

その様子を見て僕は、今までの人生で感じた事がない戦慄を覚えた。
だが、原因は今まで動いた事のない人形が突然こっちを向いた事では――ない。


人形は、舌を出していた。
それも今までそんなものをどこに隠してたんだ、というぐらいの長い舌だった。
そしてそこには筆で書かれたような文字が書かれていた。赤黒い字で。


「百個目の瞳をはずしたヤツは呪いにより自身の瞳を奪われる」と。


なら、僕はこの言葉に戦慄していたのか…?
いや。違う。
本当の戦慄はここからだ。問題は――。

頬だった。
驚くべき事に右の頬には別の文字が浮かんでいたのだ。
そこには赤い文字でこうあった。


「この右目で九十九個目だ。運が良かったな。」



それを見て僕の動悸がどんどん速くなる。
あまりの速さに僕は心臓に手を当て、押さえ込もうとした。
脂汗はどんどんと部屋のカーペットに流れていき、
そこだけが水溜りのようになっていく。

そんな状態で、考えられそうにない頭で、
僕は事態を飲み込もうとした。

(こ、これは警告なんだ…!!
 欲深いヤツを脅し、黙らせる警告…!!
 それがきっと、こいつと同じタイプの人形すべてに仕掛けられてる…!!
 そして、瞳がはずされてから2,3分経たないと、
 この警告は出ないようになってるんだ…!!
 だったら左目の警告は、いつ…?
 …というか、九十九の次って……!!!!!)

動悸はさらに加速する。とてもじゃないが、止められない。
そうこうしているうちに、日本人形はまた振動を始めた。
その振動はどんどん速さを増していく。
それはもはやチェーンソーの動きに酷似していた。


そして、そのまま、高速で振動しながら僕に近づいて…!!
そのがらんどうになった目で僕をにらみながら…!!!
そのチェーンソーのようになった体で…!!!!




…その後。
結局僕は、左目の警告を見ることはできなかった。
いや、見えたわけがないのだ。

だって僕は、それ以前に、盲目にされてしまったから。

ただ、その事はあまり嫌なことではない。
強いて言えば、自業自得なのだ。文句は言えなかった。
ただ、おかげでほとんど部屋から出ることができなくなったけれど。
それはそんなに苦しいことではない。

…だけど。僕には1つだけ、簡単な疑問がある。
実は、この部屋にはまだあの人形が置いてあるようなのだ。
けれども、何度頼み込んでも、回収業者が持っていってくれない。
どうしてなんだろう…?と思い聞いてみると、みんな口をそろえてこう言うのだ。


「…あんな人間のような瞳が入った人形、捨てられるわけない。」って。


みんな何を言っているのだろう…?
こいつは元々嘘っぽい金色の瞳をした人形のはずなのに。


そしてその瞳も、僕が外したはずなのに。




<各お題へのリンク>
No.1『鮮明な記憶』
No.2『ダイイングメッセージ』
No.3『キャットフード』
No.4『保冷剤』
No.5『封を開けると』
No.6『満点の空』
No.7『がまぐちの財布』
No.8『金色の瞳』
No.9『朝風呂』
No.10『手帳』



『オンライン作家さんへの10のお題』
配布元:「瑠璃色の小箱」
配布場所:「オンライン作家さんへ100のお題」

2009年06月07日

がまぐちの財布

6月1〜9日は企画を行っています。詳細はこちらをごらんください。

『オンライン作家さんへの10のお題』No.7
刑事と警部補再登場!今回はどうなることやら。




刑事 『警部補、これを。犯人の遺留品を見つけました!』
警部補「よし!それがあれば事件解決も近いな。」
刑事 『これ、実は僕欲しかったんですよ。』
警部補「おい!証拠品だぞ!…でもお前なんでそんなの欲しいんだ?」
刑事 『え、知らないんですか?有名ブランド品ですよ!?』
警部補「…そうなのか?…だが、証拠品には手を出すなよ!」
刑事 『わかってますよ…。
   しかし犯人のヤツ、随分と羽振りがいいみたいですね…。』

警部補「そうだな。こんなもの持ってる上に中身も結構…、お!!」
刑事 『どうしました?』
警部補「中に免許証が入っていたぞ!犯人は…賀間だな!」
刑事 『犯人は賀間ですか!!…ん?』
警部補「…どうした?」

刑事 『賀間、グッチの財布…?』
警部補「がま、グッチの財布…?」
刑事 『がまぐちの財布…。』
警部補「…ベッタベタだな。」
刑事 『…ベッタベタですね。』




<各お題へのリンク>
No.1『鮮明な記憶』
No.2『ダイイングメッセージ』
No.3『キャットフード』
No.4『保冷剤』
No.5『封を開けると』
No.6『満点の空』
No.7『がまぐちの財布』
No.8『金色の瞳』
No.9『朝風呂』
No.10『手帳』



『オンライン作家さんへの10のお題』
配布元:「瑠璃色の小箱」
配布場所:「オンライン作家さんへ100のお題」

2009年06月06日

満点の空

6月1〜9日は企画を行っています。詳細はこちらをごらんください。

『オンライン作家さんへの10のお題』No.6
星や星座は神話も含めて昔から好きなのです。
このタイトルがあった事が今回の10のお題を選んだ理由の一つでもあります。




僕の眼前に広がるのは
無限とも思える星達の群れ。
それは明喩でも暗喩でも
例えられないと思うほどの美しい風景。

きらびやかに輝く一等星。
あれはポルックス?レグルス?スピカ?
太陽の通り道で彼ら、そして彼女は
ひしめき合うようにして瞬き合う。

神話が生まれた理由が、今日始めて理解できた気がする。

僕はそう心につぶやいて
360°満点の空を見渡した。

雄大すぎるほど巨大な、海蛇座とアルゴ号。
僕の住む街で全形を見ることができない星座達が、
ありえないほどの輝きで僕の眼前にせまる。

ここでは、すべての星がきらびやかで美しく
名前もほとんど知らないような六等星すら素晴らしい。
その中でも輝きを放つのは、
クレーターさえも光って見える月。
プロミネンスがきらめく太陽。
そして、青く輝く我らが――地球。

…あれ?
そこで僕は疑問を持つ。
…どうして僕は地球を外から見ているのだろう?


そこで僕は思い出したんだ。
僕は宇宙へと流刑に出された犯罪者だったんだ、って事に。




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No.4『保冷剤』
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No.6『満点の空』
No.7『がまぐちの財布』
No.8『金色の瞳』
No.9『朝風呂』
No.10『手帳』



『オンライン作家さんへの10のお題』
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